1. 「顔」は face とは限らない! — 日本語と英語の意味のズレ
日本人が英語を話したり書いたりするときによくやってしまうまちがいの一つに、日本語と英語との間に意味のズレがあることに気がつかないでうっかり犯す誤りがあります。 意味のズレとはどういうことかというと、例えば次のような場合です。
「窓から顔を出してはいけない」という日本語に対して、次のように英訳するのはまちがいです。
*Don't stick your face out of the window.
正しい訳は次のようになります。
Don't stick your head out of the window.
この例のように、日本語では「顔」というところを英語ではheadとしなくてはならないことがあります。実は、英語のheadと日本語の「頭」とは意味が食い違っているのです。
日本語の「頭」はふつう頭髪(hair)のある部分をいうのに対して、英語のheadは「首から上の部分全体(=頭部)」を指します。 上の日本文の「顔」というのは「顔面」(face)ではなく「頭部」を指していますから、英語ではheadを使わなければなりません。
ここで重要なことは、今述べたような日本語と英語の意味のズレが著しいのは、日常よく使われる基本的なことばに多いということです。したがって、基本的な日常語ほど、その意味の範囲をよく把握しておく必要があります。
そのためには、やはり辞書を丹念に読む習慣をつけることでしょう。特に日本語との意味の違いについての説明や例文などに注意するといいと思います。
また、英語の勉強がある程度進んだら、英英辞典を引くこと(英単語学習のヒント 2)をお勧めします。英英辞典にはことばの定義が記されているので、日本語との意味の違いをかなりはっきりと知ることができるからです。
日常よく使われる基本語は、日本語と英語では意味がズレていることが多いので気をつけること